持続可能な社会は
世代内・世代間・種間の公正が保たれながら,
自然環境の持続,社会文化の持続,経済の持続が達成されている
ということが前提となります。
ところが,自然科学にベースを置く私としては,これまで経済分野に大変疎く,
ESDに携わるものとしての能力不足を痛感している今日この頃(というよりだいぶ前から・・・),
朝日新聞の年末と年始の記事に着目しています。
つまり,社会の重大関心事であるグローバル経済破綻,非正規雇用者の失業問題について,
「経済*成長*を維持する」という立場ではなく,持続可能な社会にあっての「持続可能な経済」という視点が含まれている記事をいくつか目にするようになったのです。(いまさら?という感もありますが)
朝日新聞大阪版
2008年12月20日「be on saturday-フロントランナー」(当ブログですでに紹介)
2009年1月5日(1面・2面)「雇用軽視相次ぐ「NO」」
2009年1月6日 (1面・9面)「社会貢献をビジネスに」ノーベル平和賞受賞者・ユヌス氏
ネット版
ノーベル平和賞のユヌス氏「日本企業に社会貢献期待」
この中にあって
社会的企業(ソーシャル・ビジネス):最大利益追求型から社会的目標追求型ビジネスへの転換
に着目しました。
多くの企業は,最大利益追求型です。日本では,最大利益追求型の企業では,現在の労働者派遣法の原則自由化のなかで多くの企業(実は行政や教育機関も!)が安い賃金で非正規雇用者の割合を増やしてきました。同時に多くの企業で,経済減退の中で利益確保に奔走する中で,その非正規雇用者をやすやすと解雇することが許容されてしまっています。
グローバル経済化する世界においては,「一部の強く豊かな者がすべてを取り,弱く小さい者はなにも手に入らない」(ユヌス氏)状況にあります。そのようなシステムの中で,今回「一握りの金持ちが起こした経済危機で生活が直接打撃を受けたのは,工場が閉鎖し,職を失った世界に30億人いる底辺の人々」(ユヌス氏)です。
そのような中で,バングラデシュ・グラミン銀行頭取,ノーベル平和賞受賞者,経済学者のムハマド・ユヌスさんが提唱する「ソーシャル・ビジネス」そして,「マイクロ・クレジット」が注目に値します。
ソーシャル・ビジネス(社会的企業)の本質は、既存の「最大利益追求型ビジネス」(及びそれが行う社会的貢献活動)とは異なり特定の社会的目標を追求することにあり、それは「損失もない代わりに配当もないビジネス」です。
朝日新聞社書評http://book.asahi.com/review/TKY200901060122.html
ソーシャル・ビジネスが果たして,持続的なのでしょうか?
イギリス政府の06年統計ではイギリスの社会的企業の数は従業員のいる企業の5%(5万5千)だそうです。約80万人が社会的企業に雇用されています。(2009年1月5日(1面・2面)「雇用軽視相次ぐ「NO」」)
ただし,「市場主義への疑問が強まり社会的企業の製品が売れるか,消費の減退で共倒れになるか,消費者の意識にかかっている」ともあります。
その一方で,一橋大学名誉教授の野中さんの研究によると「短期の利益を目標にする企業より,会社の存在意義や社会貢献の理念を重んじる企業のほうが,長期的に成長する傾向がある」そうです。
そもそも,現在経済破綻を導いた要因の一つに実態経済の4倍にもなる,お金にだけ依存した2京2000兆円の「世界の金融資産」運用システムのシステムダウンがあります。今後の持続可能な社会においては,実態経済から,遠くかけ離れた金融資産をめぐって利益を追求する企業形態よりは,社会的責任と実態経済に即した利益確保とのバランスを持ち合わせた企業がもっと増える必要があるのではないかと思います。
さっそく,下記の本読んで自分なりに,持続可能な経済の形を模索してみます。
※実態経済:お金と物がそれぞれ実物として取引される経済活動
関連書籍
・貧困のない世界を創る (単行本) ムハマド・ユヌス (著), 猪熊弘子 (翻訳)
・五〇〇億ドルでできること (単行本)ビョルン・ロンボルグ (著), 小林紀子 (翻訳)
1 件のコメント:
こんにちは。
私はタケモトケンジと申します。
頭は悪いですが、社会的企業に興味を持ち、社会企業家になることを夢見ています。
私の場合、格差社会や、長時間労働問題(主にワークライフバランスを目指すこと?)をどーにかすることを仕事とした企業をつくりたいな~と、まだ漠然とですが、そう考えています。
(↑日本語おかしくてすみません・・・)
この投稿を見てうれしかったです。
私は愛媛大学への入学を目指しています。
目標の学部は法文学部で、総合政策学科の夜間主ですが、愛媛大学に社会的企業に関心をもたれた方がいらっしゃるのですね。
ちなみに私は、新聞記事で社会的企業を知りました。
コメントを投稿